ある雑誌の一部分にその写真は載っていました。
「なんだこれ、見たことあるぞ!?」

型番を調べ中古を探して発注するまでに、そんなに時間はかかりませんでした。

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FUJICA DL-100

フィルム簡易自動装填機能DIL(Drop in loading)を搭載した全自動カメラです。日付写し込み機能が無いFUJICA DL-100は1983年6月に発売されています。

FUJINON 38mm F2.8の単焦点を搭載したフラッシュ装備のフルオートモデル。シャッタースピードは1/8~1/500secで単三電池二本で駆動します。モデル名にDATEがついているものは日付写し込み機能があるモデルです。ファインダーはレンジファインダーのようにブライトフレームを持ちますが、測距連動でピント合わせができるような機構はありません。英語版のマニュアルはこちらのサイトにPDFでありました。

緑のAFマークの左右が赤外線アクティブオートフォーカスで、レンズ上部がバッサリ切り取られたデザインはマリオ・ベリーニというデザイナーの手によるものです。グリーンがまぶしく、しぼの大きいグリップは電池が収まりやや大きく持ちやすいです。



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フラッシュは手動でポップアップ。



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緑のランプはフィルム巻き上げ時。
白いランプはフラッシュready。
赤いランプは手ぶれ警告。
裏蓋左側はフィルム確認用窓。

Shutter Release Lockをスライドさせ赤い表示になったらレリーズ可能。半押しで測距とフォーカスを行うのは今のカメラと同じです。

ブライトフレームの一番外側の枠は1.5m以上離れた場合、0.9-1.5mではパララックスから一段下の枠を目安にします(とそう英語版のマニュアルに書いてあるw)。上のランプはShake warning lampなので、これが点灯した場合は手ぶれに気をつけろと。フォーカスは中央部の丸部分です。

半押し時の測距と同時に右側にDistance Symbolが赤く現れます。そこには三種類の絵柄が現れるのでおおよその距離がつかめることでしょう。




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下側にはfilm speed設定であるISO感度変更レバーがあります。400までとなってます。





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レンズ上部に現在のフィルム感度が表示されています。ちなみにセルフタイマーはレンズ正面から向かって右側にレバーが設置されています。






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DILというシステムの要というか、象徴がこの縦半開き。差し込んでふたを閉めるだけと画期的な仕組みは、当時のフォトキナでも注目を集めたそうです。






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フィルムは通常の135です。長すぎたフィルムでも装填時にこの端についているカッターで先端を切断してくれます。もちろんセットすれば自動で撮影可能域までフィルムを自動で送ってくれます。



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モルトプレーンはフィルム確認窓付近のみ。おそらくここが大丈夫なら光漏れはOKなのかな。





思い出のと書いたのは、触ったことがあるという記憶があったからです。色、形、グリップ部分のぎざぎざの手触りとかを確実に覚えていました。だからこそ、小さな写真で衝撃を受けるほどだったのです。当時は5万円弱だったようですが、数千円で状態の良いものを手に入れました。絵本2冊より安いですね。

今日はISO400の24枚撮りを入れましたが、チャンスもなく半分程度しか撮影できませんでした。光漏れの心配もありますし、ちゃんと写っているかどうかわかりません。現像が楽しみでもあります。

あと、モータードライブの音が結構します。忘れてました。デジタルではない独特の音です。それから厚みもあるのでポケットからさくっと取り出すなんてことはできません。意外に重いので落とすと壊れちゃいそうです。ストラップもいるかな。

あがってきたのを見てからでないと何とも言えませんが、ファインダーと写真の感じが気になります。感覚的にどうなるかがまだわかりませんので。ただ、撮っていて思ったことは38mmはもう少し引きたいと思うことが多かったです。これが標準レンズならまた切り取り方も違うのではないかなとも感じました。


週末には現像に出したいなと思っているところです。